カズ、Fリーグコートに立つ
フットサルFリーグのエスポラーダ北海道のメンバーとして“カズ”こと三浦知良がコートに立った。テレビのニュース映像その姿を観てはいないけど、44歳にして現役、そして新たなステージに立つ彼の姿はまさに“キング”というにふさわしいと、純粋に拍手を送りたい。このゲームではゴールはなかったけれど、リーグ5位の府中アスレティックFCに対し9位のエスポラーダ北海道は見事勝利を飾った。
確かにカズは選手としてのピークは過ぎている。かつてベルディーで、代表で見せていたパフォーマンスは出来ない。でも彼は単なる「広告塔」として現役でいるわけでもない。プレーヤーとしてのクオリティーは保って、しっかりとプライドを持ってピッチに立っている。でなければ、トレーニングを重ねることは出来ないだろう。かつて元に戦った仲間たちが次々に引退をしていく中で、そのモチベーションを保ち、常にピッチの中で“キング・カズ”でいようとし続ける彼は本当に素晴らしいし、マンガや映画の世界のようにさえ思えるくらいにドラマだ。
さらに彼を素晴らしいと思えるのが、自分が「広告塔」として扱われている事を正面から受け止めていて、その上でいちアスリートでい続けようとしている点だ。「フットサルに挑戦」これが大々的にニュースになるのはカズ位なものだけれど、単純に戦力として考えればそれ以外の選択肢もあるはずだ。現に若いJリーガーの中にならフットサルの経験値が高い選手もいるだろう。やはりカズを選択すると言うことは「戦力<広告塔」というイメージは生まれる。
そんな受け捉え方があることを彼は十分に理解しているように思える。だから、プレーすることで、その質で、答えようとする。
「あれはサッカーの蹴り方。とっさにはフットサルの蹴り方が出来なかった」
ゴール前でフリーになり、シュートを放ったがキーパー正面に終わったシーンを振り返って彼はこのような事を言った。サッカーとフットサルは全く別のスポーツ。フットサルとそのプレーヤーに敬意を払い、フットサルプレーヤーとして“未熟”な自分を見つめている。どこまで貪欲にスポーツを愛し、楽しんでいるのだろう。ある種、呆れてしまう。
「もっとうまくなって帰ってきたい」“一試合限定”と言われているけれど、Fリーグで戦うガスを観たいのはチームサポーターだけではないはず。いちアスリートとして彼自身が一番願っているのではないだろうか。